2024年8月1日、グラーティア司法書士法人は、ときいろ司法書士法人と社名を新たにリニューアルオープンしました

相続土地国庫帰属制度

目次

相続土地国庫帰属制度とは

相続土地国庫帰属制度は、相続したいらない土地を国に返す制度です。国庫帰属制度と省略して説明されることもあります。2023年4月に始まった制度で、これを利用して、相続して困っていた土地を手放すことができます。

この制度は、何年前に相続した土地でも利用できます。しかし、相続した土地にしか利用できず、自分で買ったり、生前贈与でもらったりした土地には利用できません。

相続土地国庫帰属制度を利用するには、土地の所在地を管轄する法務局へ審査の申込みをします。審査が通過したら、一定の管理費用を支払って、国に引き取ってもらいます。

ときいろ司法書士法人では、相続土地国庫帰属制度を利用するための書類作成や現地調査を代行します。

土地を国に引き取ってもらうには、審査があります

土地を国に引き取ってもらうときに、所定の管理費用を払います。粗大ごみを捨てるように、お金を払って土地を処分することです。

宅地に限らず、田や畑などの農地、山林、原野でも相続土地国庫帰属制度は利用できます。

相続土地国庫帰属制度を利用するための申請書を作成できるのは、弁護士、司法書士、行政書士のみです。資格のない者にご依頼されないように注意してください。

相続土地国庫帰属制度が使えない土地

相続土地国庫帰属制度を利用して国に土地を返すには、一定の審査があります。

却下(門前払い)される土地

  • 建物がある土地
  • 担保権がついている土地、他人に貸している土地
  • 墓地、境内地、水路、通路など、地域のみなさんも通行する土地
  • 土壌汚染がある土地
  • 隣地との境界がわからない土地

このような土地は、審査に申し込んでも絶対に通りません。審査料だけ払い損になりますので、解決してから申請するか、他の方法を考えましょう。

建物がある土地は、まず解体工事をしてください。担保がついている土地や、他人に貸している土地は、契約解除をしましょう。

隣地との境界がわからない土地は、国に返すことができません。相続したけど、見たことも聞いたこともない場所にあって、どこにあるのかわからない土地では、相続土地国庫帰属制度は利用できません。土地の位置を確認するため、土地家屋調査士や測量士に、調査や測量をしてもらいます。

審査の結果、落とされることのある土地

  • 崖地(高さ5メートル、斜度30度以上)
  • 他人の土地を通行しないと公道に出ることができない袋地、めくら地
  • 残置物がある土地(放置車両、物置、小屋、果樹園など)
  • 埋設物のある土地(ガラ、廃棄物、浄化槽、井戸)
  • 危険な土地(土砂災害のおそれ、クマやスズメバチが発生するおそれ)
  • 固定資産税のほかに経費がかかる土地(別荘地の管理費、土地改良区の賦課金)
  • 維持管理に経費がかかる土地(竹やぶ、人工林など定期的な手入れが求められる)

これらの土地は、法務局の審査の結果、国に返すことができないことがあります。

相続土地国庫帰属制度を利用する費用

相続土地国庫帰属制度は、お金を払って国に土地を引き取ってもらう制度です。お金を払って粗大ごみを処分することと同じような考え方です。

審査手数料

利用申込みにあたり、土地1筆あたり14,000円の審査料を国に納めます。審査料は、収入印紙を申請書に貼り付けて納付します。

審査料は、審査の結果にかかわらず、返金されません。また、途中で手続をやめたときでも、返金されません。

負担金

審査に通過したら、国が定める負担金を支払って、国に土地を返す手続が完了します。負担金は、原則として20万円と定められていますが、土地の種類や広さによって金額が異なります。たとえば、次のような金額となります。

  • 原野、調整区域の雑種地 200,000円
  • 住宅地の宅地(200㎡) 793,000円
  • 市街化区域、農業振興地域の農地(1,000㎡) 1,128,000円
  • 山林(1,500㎡) 273,000円

法務省のホームページでも試算することができます。

審査が承認されたのち、30日以内に負担金を納付しないと、失効します。この場合、審査をはじめからやり直すことになります。

司法書士報酬(消費税別)

相続土地国庫帰属制度を利用するための申請書や現地調査を司法書士にご依頼いただくときは、審査料や負担金のほかに、手続費用が必要となります。

サービス料金諸費用
相続土地国庫帰属制度申請書作成300,000円
戸籍収集、相続人調査10,000円
交通費、文書通信費実費相当
測量、現地特定(場所がわからないとき)別途見積もり

土地の相続登記が完了していないときは、相続人全員で遺産分割協議をしていただきます。

民間の不動産引取業者の利用

いらない不動産を手放したい、土地を誰かに引き取ってもらいたいが、相続土地国庫帰属制度の審査基準を満たさないときは、民間の不動産引取サービスを利用してください。

相続土地国庫帰属制度と同じように、お金を払って不動産を引き取ってもらうものです。業者ごとに、利用条件や価格が異なりますが、国の審査基準よりは基準がやさしいところが一般的です。

不動産の有償引取について、当社が監修している会社をご紹介できます。株式会社プリエンド・マーケティングが運営している不動産の有償引取、実家じまいをご利用ください。

こちらでは、いらなくなった不動産をそのまま引き取ってもらうことができます。遠方であっても、どこにあるのかわからない場所でも、お金を払えばそのまま引き取ってもらえます。詳しくは、ホームページをご覧ください。

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