資本金の減少
減資の手続について
資本金を減らす目的として、資本金を取り崩して赤字を埋めることや税制面でのメリットを受けるものです。
ただし、資本金の減少をするには、すぐにはできません。また、取引先や債権者にお知らせしなければならず、誰にも知られずに秘密に進めることはできません。
思い立ってから効力発生日までには、約1か月半から2か月程度はかかります。手続の主な流れと費用については、次のとおりです。
株主総会決議
資本金を減らす額やその効力発生日を決定するためには、原則として、株主総会の特別決議が必要となります。
欠損填補を目的とし、定時株主総会で決議をする場合には、例外的に普通決議でも可能となっております。
まずは、株主総会を開催しましょう。
官報公告
資本金を減らす旨を、官報など、定款に定められた方法で、効力発生日の1か月以上前から公開しなければなりません。
- 資本金の額の減少の内容
- 貸借対照表や損益計算書の概要
- 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
毎年、決算公告を官報に掲載していない会社の場合には、同時に決算公告をしなければなりません。
決算公告は、掲載日が限定されているため、申込みから掲載までに約2週間はかかります。
債権者への個別の通知
取引先や金融機関に対して、資本金を減らす旨を各別にお知らせしなければなりません。
取引先にとっては、会社の資本金は信用であり、同意なく勝手に減らされれば困るためです。金融機関の中には、資本金を減らすことに対して、異議申立てや反対の意思表示をしてくることがあります。
その場合には、その金融機関に対して満足のいくような弁済をしたり、担保提供をしたり、追加での措置をしなければ減資をすることができません。
登記手続
上記の手続を済ませて、効力発生日を迎えたら、2週間以内に法務局で登記の手続をしなければなりません。
資本金を減らすときの注意点
資本金を減らすを減らすための手続は、すぐにはできません。
取引をしている金融機関とは、事前に打ち合わせを済ませてください。出し抜けで進めますと、途中で失敗します。
許認可によっては、最低資本金の額が定められていることがあります。許認可の必要な事業をしている会社については、これを維持するために必要な資本金の額を把握したうえで、検討してください。
また、入札条件に資本金の額が定められていることがあります。無計画に資本金を減らすと、入札ができなくなり、経営に差し支えることがあります。